導入事例

Case Study

#5 株式会社cotta様
実演とアドリブトークで視聴者を惹きつける製菓材料EC企業の人気配信に迫る

配信スタジオにて。左・郷田さん、右・武藤さん

snsforce導入企業に聞く「ライブコマースのいまのカタチ」。第5回は、お菓子作りやパン作りの食材、道具、ラッピング資材などを取り扱う日本最大級のECサイト『cotta(コッタ)』を運営する株式会社cottaです。2016年からライブ配信をスタートし、2020年から定期的な配信を行うようになった同社。最近では社内メンバーがcottaで扱う商品を使ってお菓子作りを行い、商品紹介を行う「スタッフ配信」の人気が高まっています。snsforceを用いながら、どのようにライブ配信を行っているのでしょうか。SNSディレクターの郷田真由さん、MCとしてスタッフライブの配信担当を務める武藤梨沙さんに話を伺いました。

〈インタビュー〉

郷田真由 様

株式会社cotta
SNSディレクター

武藤梨沙 様

株式会社cotta
ライブ配信担当

2016年からライブ配信を開始
ノンストップで話し続ける「スタッフ配信」が人気コンテンツに

cottaでは、どのようなライブ配信を行っているのでしょうか。

武藤弊社はお菓子作りの中上級者をメインターゲットとする製菓用品のECサイトを運営しているため、ライブ配信の内容はお菓子作りの実演が中心です。洋菓子店の有名シェフなどをお招きしてお菓子作りの様子を手の使い方まで見ていただける学びの要素の強いコンテンツと、私が出演してcottaで扱う商品を実演付きで紹介するテレビショッピング的な要素の強いスタッフ配信コンテンツの2種類を配信しています。
特にスタッフ配信では、日本最大級の商品数を扱う弊社だからこそできる企画として、1つのカテゴリで複数商品を比較して紹介することが多いです。例えば、マロンペーストを取り上げる回であれば、5種類のブランドの商品をお見せして、具体的に味やテキスチャーの違いを説明していきます。ケーキの飾りなども、ECサイトの写真と文章だけではサイズ感やケーキに乗せたときの様子が分かりづらいことも多いため、実際にケーキをつくって飾りを乗せてみるという実演を行うことで、完成後のイメージをお客様に具体的に描いていただけるようにしています。

ライブ配信に出演する武藤さん

ライブ配信はいつから始めたのですか?

武藤2016年11月です。当時はまだライブ配信を行う企業は少なく、比較的早い段階で取り組み始めたと思います。開始当初は不定期でしたが、2020年頃から定期的に行うようになり、今では1カ月に2~3回のペースで配信しています。

郷田ライブ配信を始めた頃は、製菓の技術を学んでいただくために配信することが多かったのですが、最近はどちらかというとお客様とのコミュニケーションを深める目的で配信することが多いです。そのため、武藤によるスタッフ配信も、ここ1年ほどで回数が増えてきています。
そのおかげかどうか分からないのですが、スタッフ配信の人気が高まっていて、最近では有名シェフによるライブ配信よりもアーカイブ再生数が伸びることがあるんです。弊社の配信では、1コンテンツにつき3~4万再生が平均で、5万再生を超えるとかなり視聴されたほうなのですが、武藤の配信もそれと同等、あるいはそれ以上の再生数になることが増えています。

自社の配信の強みを分析する郷田さん

武藤7万回再生されたアーカイブもありましたね。スタッフ配信を定期的に行うようになったことで、お客様の中で定番コンテンツとして認識していただけているということかもしれません。

武藤さんが配信を行う上で、大切にしていることはありますか?

武藤目の前にいるお客様を接客するイメージで配信することでしょうか。ライブ配信の間は、お客様に楽しいひとときを過ごしていただきたいと常に思っています。なので、お客様を一瞬たりとも飽きさせぬよう、通常の会話よりも少し早めのスピードで、ノンストップで話をしようとしていますね。お客様からいただくコメントひとつひとつに対しても、なるべくお返事をするように心がけています。

郷田スタッフ配信は武藤がいてこそできると思っています。黙っている時間がほとんどなく、本当にすべての時間を喋り通すんですね。視聴者から、武藤に対して「お水飲んでください!」とコメントが来ることもあるくらいです(笑)

武藤とはいえ、そのようなひたすら話すスタイルの配信が定着したのは、この1年くらいのことなんです。2020年9月にスタッフ配信を始めたばかりの頃は、もっと恐る恐る話をしていました。シェフによる配信を期待されていたお客様から「この人誰?」と困惑のコメントが寄せられることもあったので……。でも、そういった声を気にせずにスタッフ配信を続けていたら、いつの間にか私のキャラクターがお客様の間に浸透して、ひとつのコンテンツとして受け入れていただけるようになりました。

郷田配信内で使用・紹介している商品について「武藤になら質問しやすい」と思っていただけるようになったのもポイントだと思います。コメントで質問すれば、武藤がすぐにそのコメントを取り上げて対応しますし、パッと答えられない質問でも、少し考えている姿が逆に「真剣に向き合ってくれている」とお客様に好印象を与えているようなんですね。武藤の明るく話し好きなキャラクターが、人気コンテンツへと発展するきっかけになったのではないでしょうか。

配信内容の企画や台本づくりは、どのように行われているのでしょうか。

武藤スタッフ配信もシェフによる配信も、弊社では台本を一切つくりません。進行の流れや商品の特徴などのメモは用意しますが、あとは当日のライブ感を大切にして、アドリブで対応しています。配信内容の企画については、その時々でお客様の熱量の高いジャンルにフォーカスを当てたいので、配信日の1~2ヵ月前に決めることが多いです。

台本が全くないことに驚きました。

武藤材料や道具を使う順番などは、配信に携わるスタッフとシェフの間で認識をすり合わせておきますが、配信時のトーク内容に関しては打ち合わせもしないですね。失敗することも含めて“ライブ感”だと思うので。例えば、シェフやスタッフが材料をひっくり返してしまうことも稀にあるのですが、そういうときも「ライブ配信だから、そういうこともあるよね」とお客様も納得してくださっていて。コメントで「大丈夫!何も見てないよ!」とフォローしてくださる方もいらっしゃいます(笑) リアルなお菓子作りの様子を楽しんでいただけるのが弊社のライブ配信の良さであり、特徴であると思います。

取材中も終始笑顔が絶えない武藤さん

snsforceの導入で、
ライブ配信の「一方通行さ」が消えた

2023年2月にsnsforceを導入する前は、どのような課題を感じていましたか?

郷田ライブ配信の“一方通行さ”を感じていました。コメントのログが残らないため、こちらから一方的に配信して終わりになってしまうことが多かったからです。ライブ配信が弊社にどのような影響を与えているのか、コメントの内容などから効果を分析することもできていませんでした。しかし、snsforceのおかげで、今ではお客様の声をキャッチしやすくなりました。その結果、効果検証にもつなげることができています。

武藤あとは、弊社のECサイトに膨大な量の情報が掲載されているため、せっかくライブ配信で商品を紹介しても、その商品を販売しているページにたどり着いてもらえないという課題もありました。配信中に口頭で商品ページの場所を伝えても、やはり限界があったのですね。しかし、snsforceを導入してからは、DMで商品のリンクを送付できるようになったので、お客様に商品情報を的確に届けることができるようになりました。

商品リンクをDMで送れるのが便利だという武藤さん(右)

郷田DMでは、商品情報のURLのほかに、限定クーポンの配布や実演したレシピの情報などもお送りしています。その結果、お客様の満足度アップにもつながっているように感じています。snsforceのDM送信機能は、一番メリットを感じている機能ですね。

DMの送付によって、お客様の購買行動などに変化はありましたか?

郷田クーポンについては、1回の配信で100件ほど使用しています。Instagramのストーリー機能でクーポンを配布したときよりも、ライブ配信の視聴者に向けて個別にDMでクーポンをお送りするほうが、使っていただける割合が高いように思います。企業公式アカウントからDMをもらえることはお客様にも特別感があるようで、とても喜んでくれます。

武藤ライブ配信を見てくださっている時点で、その方はお菓子作りに興味のある、つまり購買への確度の高い層と言えます。そのようなお客様に対してDMを届けられるからこそ、クーポンや商品紹介の内容が刺さる確率も高いのだと思います。

郷田ただ、弊社としては、ライブ配信で必ずしも売上を伸ばしたいわけではありません。ライブ配信はあくまでもお客様一人一人との関係値を高めるための手段。DM送信機能も、お客様とのコミュニケーションの一環として、今後の投稿を見ていただくきっかけになるようお送りしています。

ディレクターとして配信を支える郷田さん

なるほど。ちなみに、コメントログを残せるようになったことで、お客様の声をキャッチしやすくなったという話もありましたが、取得したコメントはどのように活用されているのでしょうか。

郷田特徴的なコメントがあれば記録を残すようにしています。商品やサービスへのご不満などが書かれていた場合には、すぐに社内に情報共有するようにしていますね。

武藤最近はクライアント企業からPR案件のひとつとしてライブ配信をご依頼いただくことも増えたため、コメントログを使うことで報告書作成時の手間を大きく減らすことができるようになりました。snsforceを導入する以前は、PR案件の配信で商品に関連するコメントが出てくると、配信中にその場でスタッフがスクリーンショットを撮って保存していたんです。なので、うっかり撮り忘れてしまうこともよくありました。今後はクライアント企業からお客様に聞いてみたいことを募集して、配信内でお客様にコメントしていただき、その結果を報告書にまとめるといった応用編の使い方もできるのではないかと検討しているところです。

ライブ配信の様子(再現)

「お菓子作りのライブ配信といえばcotta」と言われたい

今後、ライブ配信をどのようにしていきたいか、目標をお聞かせください。

武藤お客様とのコミュニケーションを深めるという当初の目的は達成できつつあるため、今後は「お菓子作りのライブ配信といえばcotta」と言われるような存在になることが最大の目標です。競合他社に負けない最高のクオリティのライブ配信をして、最初から最後まで飽きずに楽しく見ていただけるような時間をこれからもつくっていきたいですね。そして最終的には、ライブ配信を通じてより多くのお客様にcottaを好きになっていただけたら嬉しいです。

郷田これまでは既存のお客様をターゲットにライブ配信を行ってきましたが、新規のお客様を獲得できるような取り組みも増やしていきたいです。また、snsforceについては、導入したことでライブ配信に対するモチベーションも上がりましたし、分からないことや困ったことがあれば担当の方に相談できる点も非常に心強く感じています。今後もcottaのブランドイメージを高めるために、snsforceを活用しながら、ライブ配信に力を入れていければと思っています。

今日はさまざまなお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

取材・文 市岡光子
写真・編集 いからしひろき

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